逆張りおじさんはしゃがれた純真ラブソングに殺される

自分って何が好きなんだろうってほとんど毎日思っている。当然好きなこと好きなものは沢山ある。人生の半分を費やしたバスケ然り毎日のように飲んでいるお酒然り自分みたいな弱っちい人間とずっとバカをしてくれる友達然り。そうじゃなくて本当になにか一つ熱中できたことはあっただろうかとそういう話。バスケといえばたしかに小さいころからしてきたけど今はもうしばらくボールにも触っていないし酒や友達なんかはそういう括りとはそもそも違う。お菓子作りが趣味とは言うものの所詮趣味なのであれだけ作ったパウンドケーキの焼き方だって忘れた。映画をいっぱい見ようとかスポーツ観戦をする大人になろうとか競馬や競艇で生活していこうなんて考えることもあるが全てが中途半端で本当に1ヶ月も保たず全て思い出のゴミの中である。かなりありきたりかも知れないけど何にもない人間なんじゃないかって度々悲しくなる。

 

でもやっぱり音楽だけはずっと好きかも知れない。

正直音楽が自分の軸と言うことにかなり抵抗があった。あったというかずっとある。令和のこの時代音楽なんて人間の生活の一部だし街にでて聞かないことの方が難しい。楽器ができるわけでも歌が上手いわけでもなく、自分の作品なんて当然ない。それでも音楽が自分の軸であるとようやく言えるようになってきたかも知れない。思い返してみれば自分の思い出の中に音楽がなかったことが一度もない気がする。保育園の時でさえ車で流れてくるアラレちゃんの曲と親父のお気に入りの70年代の洋楽ベストを口ずさんでいた。後になってあのCDにコンポから雑音が流れてくるようになったときは本当にいたたまれなくなってご飯の味がしなかった。お父さん本当にごめん。小学校で初めてiPodを買ってもらって狂ったようにGReeeeNを聞いてた。姉のウォークマンで聞いたRADWIMPSおしゃかしゃまが本当にお経に聞こえていた。中学でできた友達にポルノグラフィティを教えてもらってカラオケで全曲歌った。朝の8時から夕方の18時までラウンドワンのカラオケに入り浸ったり隣町の激安カラオケまで自転車で1時間弱かけて歌いに行った。高校で本格的にバンドにハマった。初めてライブに行ったthe peggiesのライブのことは全く覚えてない。でも金がある限り行った。EDMもボカロもアイドルも高校生のときに教わった。浪人したときも勉強中はずっとaikoを聞いてた。大学に入ってからはマイナーバンドを漁り続けた。残りの人生の全ての時間を使ってもこの世界の曲の全てを聞けないという世の中のバグを見つけたときは同じ曲を聞くことがもったいないとさえ思った。今まで出会った個性がすぎる友達全員が違う音楽が好きでおれもまたみんなと違うけど同じ音楽を聞いてた。社会人になっていったlaura day romanceのsad numberをきいて人生で初めて曲を聞いて泣いた。

昨日の晩御飯も覚えていないような自分がここまで音楽のことを話している、これはもうそういうことでいいんじゃないかと思いました。

 

趣味を聞かれたときと普段休みの日は何をしてるかと聞かれたとき自分は何も言えなくなる。

でも音楽が趣味で良かったのかもしれない。起きてすぐも移動中も仕事中も帰ってからも寝ている時でさえ音楽が流れているのに、それが人生だと言わずしてなんだというのか。今の自分から音楽を取り上げてしまえばきっと苦痛で3日ともたず死ぬと思う。音楽が趣味、それでいいじゃないか。何より友達と好きな曲を流し合いタラタラ喋っている時間が何より楽しい。本当にそれだけでよかったんだと思います。

これからも音楽だけは死ぬまで聞くと思います。自分の葬儀用プレイリストも用意してます。

明日になったらあれも書けば良かったなあって200回思うんだろうなぁ。もし結婚するならビールを一緒に飲んでくれる人がいいってずっと思ってたけど、同じ音楽が好きな人も追加しようとおもいます。コピーバンドをするならサンボマスター以外したくないです。

安いヘッドホンで幸せになります、好きだ、音楽